フォトニックインターネットラボ設立趣意書
2003.3.25版
設立の趣意
光通信技術の研究開発の黎明期には、日本の産業界・学会から多くの技術が生まれ、世界の研究をリードしてきた。近年、インターネットの利用はめざましく進み、高速大容量の光通信技術の重要性が高まる中、日本発の技術を標準化団体に積極的に提案するなど、世界へ向けたさらなる貢献が必要である。
次世代ネットワーク制御プロトコルは、ITU-T、IETF、OIFなどの団体で標準化が進められている。近年のインターネット技術標準化の活動においては、単に技術提案をするだけではデファクト標準をリードすることはできず、提案と同時にRunning
Codeを実装し、実際的・実用的な技術であることを示すことが必要である。加えて、光通信のカバーすべき技術分野も広がり、もはや、単独の企業・組織ですべての技術を研究開発していくことは困難になってきており、どんな技術開発を進めるべきかという選択は益々重要となっている。
次世代フォトニックネットワークによって、新しいインターネットの時代を切り拓くことを目標とし、世界標準を目指したフォトニックネットワーク制御技術の研究開発を推進することを目的として、フォトニックインターネットラボ(PIL)を創設する。
PILは、このようなグローバルなデファクト標準化の活動に対応すべく、研究開発を進める上で相補的なGive & Takeの関係を築くための場を提供し、新しいネットワーク技術を開拓し、実際に利用できるプロトコルの研究開発を推進する。
1.フォトニックインターネットラボの目的
(ア) |
日本がコアコンピタンスとしてもつ光技術をベースに、電気処理の限界を超える次世代フォトニックネットワークを実現するため、新たなプロトコルを世界に先行して開発することを推進し、開発した技術の実証研究を行うこと。 |
(イ) |
日本を中心とした研究開発機関でそれぞれ開発を進めているプロトコルのコードを実装し動作検証を行うことで、日本発のデファクト標準を推進し、ITU-T,
IETF,OIF等の標準化団体への貢献度を高めること。 |
2.フォトニックインターネットラボの活動内容
(ア) |
標準化を目指す技術課題についての情報交換。 |
(イ) |
フォトニックインターネットの標準仕様の策定。 |
(ウ) |
各組織で開発を進めている最先端フォトニックネットワーク制御技術の検証実験。 |
(エ) |
ワークショップの開催、プレスリリースなどの広報活動。 |
(オ) |
その他標準化を推進するための活動。 |
3.メンバーシップ
(ア) |
PIL設立の目的に賛同した組織を参加メンバとする。 |
(イ) |
新規加入の方法 |
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1. |
新規の参加組織加入は、運営委員会での承認を必要とする。 |
4.フォトニックインターネットラボの組織
(ア) |
運営委員会 |
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1. |
参加組織の代表から構成し、PILの活動方針を決定する。 |
(イ) |
ワーキンググループ |
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1. |
PIL活動を具体化するワーキンググループ(WG)を設置する。 |
WG1. |
標準化戦略WG (略称:標準化WG)
メンバの標準化寄書や提案技術テーマを掘り下げて議論する技術討論の場 |
WG2. |
技術検証WG (略称: 検証WG)
各企業で開発を進めているLeading Edgeとなるプロトコルコードの技術検証を行う場 |
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2. |
WGの新設/廃止は、運営委員会の承認を必要とする。 |
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